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自己啓発

【第9回】 晩年を幸福な人生にする「よい結婚」とは

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photo by Ryan McGuire
2018.9.20
From 高田明和

よい結婚をした人の晩年が幸せということは想像がつきます。

グラント研究でも、50歳のときに安定した結婚をしている人の80%が75-80歳でも健康で幸せな人生を送っていますが、そうでない人の場合、37%が健康で幸せであったにすぎません。

安定した結婚をしている人とはどのような人でしょう。グラント研究の人たちの大部分は世間的には成功しています。つまり社会的な成功はよい結婚の条件ではありますが、社会的に成功している人が安定した結婚生活を送っているとは限らないのです。

では、グラント研究の対象者のように社会的に成功している人たちの結婚生活はどうでしょうか。亡くなった人の場合は亡くなるまでの結婚生活の調査結果です。2010年までなので、最高齢の人は95歳を越えています。その人たちの結婚の状態を調べました。まだ幸せな結婚をしているという人が21%、離婚したけど、幸せな再婚をしている人が10%、つまり31%が幸せな結婚状態でした。しかし、不幸な結婚だった人、再婚したが不応だった人も31%ありました。

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photo by Fede Racchi


では結婚生活に成功している理由は何でしょう。もちろん前に述べたように苦しみに耐える考え方とか社会的成功もありますが、もっとも関係したのは性生活を楽しむことができる間柄だということでした。

一方、不幸な結婚に終わった人たちで最大の因子は周囲の人の支持、妻や子ども「以外」の人に好かれ、信頼されるということでした。つまり、結婚生活を成功させ、幸せな晩年を生きる上でも、人間性が非常に大事だということです。

夫婦の間、友達との関係、世間との関係で正直というのは信頼される重要な因子です。それが結婚生活を安定的なものにし、晩年の健康と幸せをもたらすのです。

正直に生きることは、周囲の人との関係で非常に大事になることをよく示しています。また周囲の人との関係がよく、信頼され必要な支援を得ることができるには正直に生きることが大事だということも分かります。

このことを考えると、結婚生活というのは夫婦、子どもとの関係で重要であるだけでなく、私たちをとりまく周囲の人との関係で重要だということが分かります。

これからも何度も申し上げますが、他人は見ているのです。私たちがどのような結婚生活を送っているのか、夫婦の仲は本当によいのか、子育てはうまくいっているのかを気にしているのです。そして、これらがうまくいっている人には必要な助けを与えようとするのです。

夫婦だけが仲がよければよいのだという考えは間違いです。このような夫婦関係はちょっとした人生の失敗で壊れます。実際、社会的な失敗が夫婦生活を壊す大きな要因だからです。

過日、非常に仲のよい夫婦の妻が夫を花瓶で殴り殺すという痛ましい事件が起こりました。周囲の人たちはみな、「あんなに仲のよい夫婦が」と言っていました。このような転落の引き金は夫の事業の失敗でした。夫は文具店などを開き、一時期は大成功を収めたのですが、次第に事業がうまくゆかなくなり、店を閉めることになりました。きっと夫婦の間でも言い争いがあったのでしょう。

つまり夫婦関係は夫婦のみの関係、子どもも含めた関係、社会との関係などが微妙にからみあう人生の重要な営みなのです。

 

 

 

 

高田明和(たかだ・あきかず)

浜松医科大学名誉教授/医学博士
1935年、静岡県清水市生まれ。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了。ニューヨーク州立大学大学院教授、浜松医科大学教授を経て、現在にいたる。テレビ、ラジオ、全国の講演を通じて、心と身体の健康に関する幅広い啓蒙活動を積極的に行っている。主な著書に『100歳までボケない脳に変わる! 速聴CDブック』(きこ書房)、『長生きしたけりゃ、医者の言いなりになるな』(朝日新聞出版)、『うつもボケも寄せつけない脳と心がホッとする健康学』(すばる舎)ほか多数。

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