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昔ながらの美徳-OLD FASHIONED VIRTUES-

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2018.9.19
From マックス桐島

ハリウッドで流行したビンテージ

時代遅れの服装と、品格あるビンテージ衣装は紙一重。着る人のオーラによって、古いスタイルが見事に蘇り、紳士淑女が服装に気を使った古きよき時代を髣髴とさせるシーンは、観る者の心をウットリとさせるだけでなく、心地よいタイムスリップに誘ってくれます。

数年前、SAG(全米映画俳優協会)賞授賞式に、アンジェリーナ・ジョリーが着用したエルメスのガウンは、著名なデザイナー、ジャン=ポール・ゴルティエによるビンテージ・デザイン。そのふっくらとした絹シフォンのレトロ調のドレスは、彼女の妊娠説を加速させたほどでした。

ビンテージ・ガウンが流行したハリウッド。ニューヨークにある貴重品ビンテージ・ドレスの有名店レア・ビンテージにも、アカデミー賞シーズンになると、着用するオールドファッション(昔風)ガウンの注文が殺到したといいます。

ベルサーチ、グッチ、アルマーニなどの近代デザイナーのドレスが主流だったアカデミー受賞式に、1984年、ジェイミー・リー・カーティス(『トゥルー・ライズ』でシュワちゃんの妻を好演した女優)が、往年の名女優マリーナ・ディートリッヒ所有のビンテージ・ガウンで登場したのがリバイバルのきっかけでした。

2001年には、ジュリア・ロバーツとレネ・ゼルウィガーが、ハリウッド黄金時代を髣髴とさせるゴージャスなビンテージ・ドレスで満場の注目を集め、それ以来、女優たちの趣向は“時代物”へと移行しているようです。

正しい選択をする

女性の品格を象徴する(外見の話ですが)ビンテージ服は、流行の先端を行くコンテンポラリーな服にはない重厚味と、落ち着きを醸し出します。

クリスチャン・ディオールなどのように、時代を超越した華麗で品位溢れるブランドは、アルマーニ一辺倒だった、ハリウッドの若手女優の憧れの的として復刻しているほど。

でも、一歩間違えれば“コスプレ”となる可能性もあるだけに、ビンテージ・ドレスを纏うだけのクラス(品位)と、今風のヒップ(お洒落)なアクセサリーの選択技が必要となります。

ある有名名優は、ゴールデングローブ授賞式用に、オスカー・デ・ラ・レンタのビンテージ・ガウンに、今大人気のジミー・チューのクラッチバッグをマッチングさせたそうですが、「温故知新」は、ハリウッドのファッションにも生きているということなんですね。

男性目線にもエレガントで艶やかに映るビンテージ・ドレスですが、さすがに、品格に疑いのあるヒルトン家の末裔娘や、ブリ何某には着て欲しくない、というのが本音のようです(笑)

上質なワインとなるために

3写真

photo by Thomas Hawk Hey Baby, It's the 4th of July via photopin (license)

英語の諺に「To play the part, you gotta look the part.」(その役を演じるなら、その役柄に見えないと)というのがありますが、これは言い得て妙な深い表現だと思います。

ともすれば、雑誌やテレビで見たファッションを模倣して自分には似合わない格好をしたり、容姿や年齢とかけ離れた出で立ちや行動で目立とうとしたりする現代人を多く見かけます。

でも、やはり人生という舞台の上で自分が演じている役柄を熟知し、その役柄に似合う、流行やトレンドを超越した粋なお洒落心を身に纏うことこそが、ビンテージな人間への第一歩であるような気がします。

ビンテージの語源は、「ワインの素材である上質なブドウの収穫」という意味合いですので、理想の自分を演じるためには、今日から、理想の自分に見えるような美徳を積まなければ、ということではないでしょうか。 

極上のワインのように自らを醸造するためにも……。

 

 

 

マックス桐島

人物紹介写真

ハリウッド映画プロデューサー
神奈川県出身。
ハリウッドで1990年以来、『Night of the Warrior (邦題「ナイト・ウォリアー」)』『Ulterior Motives (邦題「隠された動機」)』『Samurai Cowboy (邦題「ワイルド・ハート/遙かなる荒野へ」)』など13作品をプロデュース。また手掛けた作品は2001年度アカプルコ国際映画祭最優秀作品賞。2002年度ニューヨーク・インディペンデント映画ビデオ映画祭最優秀スリラー作品賞、主演男優賞などを受賞。著書に『NYビジネスマンはみんな日本人のマネをしている』(講談社プラスアルファ新書)など多数。
http://www.amazon.co.jp/-/e/B004LRJOSM

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