増える移民人口
日本を襲った大雨、アメリカに次々と襲来する大型ハリケーン、世界各地で起こる地震の連鎖など、最近の天変地異は、「想定外」という表現を超越した大自然の脅威を地球規模で感じさせます。
どこに住んでいようと、どこの国の人間であろうと、故郷への思いは万国共通ですが、アメリカと日本のデュアルライフを過ごしていて感じることは、日本人の母国愛の強さです。
ハリウッド仲間には外国人も多くいますが、彼らが口にするのは、母国への批判やアメリカがいかに母国よりも優れているかという点。イラン出身のプロダクションデザイナーは「資本主義かぶれ気味なイスラム教徒、イランには絶対に戻らないと母国を忌み嫌う人、そして、アメリカ批判をしながらも米国籍を取得してアメリカンドリームを追いかける人、と様々なイラン人がいるが、彼らにはもう愛国心はないように見える」と語っていました。
世代を超えて、母国の伝統を重んじる中南米系移民とは一線を画す感じですが、今のLAを見ていると、「歴史は繰り返す」という言葉がピッタリ。スペイン系、中国系、イスラム系移民は、国外に出て栄え、やがてはその国を征服して領地にしてきました。LAで生粋の白人を見かけなくなった感じがするのも、我々日本人を含めた移民人口が増えているからで、イギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパ大国も「人種のるつぼ」になっている状況の陰に、移民の逞しい順応力と生活力を垣間見る気がします。